忘れもしないあの日にぼくは死んだ。

それは、肉体的な意味じゃなく、それまでの世界が崩壊した日。

確かにあの日、ぼくは死んだんだ。

右も左も、上も下もない世界に墜ちた。

そこは、真っ黒な闇のようで真っ白な光の世界。

何もない闇が、光のように眩しかった。

どこからか声がするような気がするけど、何も聞こえない気もする。

手足もない、体もない。

誰もいない。

それでも、僕はこの世界でまだ生きていた。

その時初めて気がついた。

僕は毎日生きてはいなかった。

あの日に死んだのは、ぼくだけど、もう僕じゃない。

忘れもしないあの日は、「僕」の誕生日となった。